健康づくりのための睡眠指針 |
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〜快適な睡眠のための7箇条〜 | ||
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近年、社会の24時間化が進み、睡眠不足や睡眠障害等の睡眠の問題を抱える人が増加しています。このような状況を踏まえ、厚生労働省ではより充実した睡眠について分かりやすい情報を提供することを目的に、2003年3月に「健康づくりのための睡眠指針」を策定しました。 |
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(1)快適な睡眠でいきいき健康生活 | ||
●快適な睡眠で、疲労回復・ストレス解消・事故防止 ●睡眠に問題があると、高血圧、心臓病、脳卒中など生活習慣病のリスクが上昇 ●快適な睡眠をもたらす生活習慣 〜定期的な運動習慣は熟睡をもたらす 〜朝食は心と体のめざめに重要、夜食はごく軽く 睡眠には、疲労を回復し、ストレスを解消する働きがあります。また、睡眠不足や睡眠障害等の睡眠の問題が事故につながることもあることから、快適な睡眠を確保することは、いきいきとした健康な生活や事故の防止につながるものと考えられます。 |
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(2)睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター | ||
●自分にあった睡眠時間があり、8時間にこだわらない ●寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る ●年齢を重ねると睡眠時間は短くなるのが普通 快適な睡眠を確保するための睡眠時間、睡眠パターン等は人それぞれで個人差があります。特に年齢の影響は大きく、10歳代では、8〜10時間、成人以降50歳代までは、6.5から7.5時間、60歳代以上で平均6時間弱と、高齢になるほど概して必要な睡眠時間が短くなることが報告されており、無理に長時間眠ろうとすることで、かえって睡眠の質を低下させることがあることに留意することが必要です。 |
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(3)快適な睡眠は、自ら創り出す | ||
●夕食後のカフェイン摂取は寝付きを悪くする ●「睡眠薬代わりの寝酒」は、睡眠の質を悪くする ●不快な音や光を防ぐ環境づくり、自分にあった寝具の工夫 就寝の4時間前以降のカフェイン摂取は、入眠を妨げる傾向があります。また、「睡眠薬代わりの寝酒」は、眠りが浅くなる、断続的になるなど睡眠の質を悪くするとともに、アルコールを連用することで慣れが生じ、同じ量では寝付けなくなってしまう、過剰摂取につながってしまうということに留意が必要です。特に、睡眠薬を使用している人が飲酒すると、薬の作用が強まったり、記憶障害、ふらつき、尿失禁などの副作用が出ることがありますので、一緒に飲まないことが必要です。 |
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(4)眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる | ||
●軽い読書、音楽、香り、ストレッチなどでリラックス ●自然に眠たくなってから寝床に就く、眠ろうと意気込むとかえって逆効果 ●ぬるめの入浴で寝付き良く 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、寝付きを悪くするため、軽い読書、音楽、香り、ストレッチなど、自分にあった方法で、心身ともにリラックスするよう心がけて、眠たくなってから寝床につくようにすることが推奨されます。特に入浴については、ぬるめの入浴が寝付きを良くします。 |
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(5)目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオイン | ||
●同じ時刻に毎日起床 ●早起きが早寝に通じる ●休日に遅くまで寝床で過ごすと、翌日の朝がつらくなる ヒトの脳の中には、生体リズムをコントロールする体内時計がありますが、日光は、眼を通じて体内時計を刺激し、一日の行動に適したリズムを作ります。早起きが早寝に通じることはもちろん、目が覚めたら適度な日光を浴びるようにすることが快適な睡眠の確保につながります。 |
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(6)午後の眠気をやりすごす | ||
●短い昼寝でリフレッシュ、昼寝をするなら午後3時前の20〜30分 ●夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響 ●長い昼寝はかえってぼんやりのもと 人体の睡眠のリズムとして、午後2時くらいに眠気が生じることが明らかになっています。特に、睡眠不足の際には顕著になりますが、長い昼寝や夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが多いため、午後3時前の20〜30分の短い昼寝でリフレッシュし、うまく午後の眠気をやりすごすことが推奨されます。 |
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(7)睡眠障害は専門家に相談 | ||
●睡眠障害は、「体や心の病気」のサインのことがある ●寝付けない、熟睡感がない、充分眠っても日中の眠気が強い時は要注意 ●睡眠中の激しいいびき、足のむずむず感、歯ぎしりも要注意 寝付けない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、十分眠っても日中の眠気が強いことが続くような睡眠障害は、体や心の病気の症状として現れていることがありますので、一人で悩まず保健医療専門職に相談しましょう。 |
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照会先:厚生労働省健康局総務課/生活習慣病対策室 |